関係者が語る酪農とフェリスラテ

獣医師/酪農協職員から見るフェリスラテとは?
各分野の視点から見えるフェリスラテの魅力を紹介します。

関係者が語る酪農とフェリスラテイラスト

獣医師から見るフェリスラテ

野口 泰幸

酪農指導所 所長野口 泰幸

東日本大震災、東電原子力発電所事故から8年目に入った。生活基盤を全て奪われ飼養していた牛たちをも全て手放す状況。計り知れない感情のもと避難生活を強いられてきた酪農家たち。その酪農家たちが集まり酪農再興を旗印に掲げ作り上げたフェリスラテ。農場を訪れると真新しい牛舎の中で落ち着いた表情で餌をはむ牛たちがいる。その周りで忙しそうに動き回る場員たち。時々聞こえる笑い声。近くにいた場員に声をかけると「こんちわ!」と返してくれる。乳牛を専門とする獣医師の私は、他の人に比べ他人の考えが分かるような気がします。物言わぬ牛たちを、五感を研ぎ澄ませ診療する日々から会得した特技でしょうか。ここで働く人たちは自分の仕事を黙々とスマートにこなしています。搾乳する人、給餌する人、子牛にミルクを与える人、人工授精をする人、ベットメイキングする人、堆肥を片づける人。何を考えながら作業をしているのでしょう。大きな牧場ですからそれぞれ業務を分担協力しての作業ですが、この一つ一つの作業は酪農にとって欠かす事ができません。それぞれがその役割と必要性を理解しながら働いているのでしょう。

今までの経営とは違う会社組織、平成26年に5名の酪農家役員兼スタッフでのスタートでした。周りのバックアップ体制は勿論の事ですが、順調な船出と安定感はそこで働くスタッフの目付きや動きを見れば分かります。体調を崩した牛がいると往診に行き、「分娩はいつ?何産目?寝起きは?どのくらい食べないの?」と、矢継ぎ早の質問にもすぐに答えが返ってきます。常に牛たちの情報が頭に入っているのです。酪農経営は、牧場(施設)・牛・人の全てが調和しないと安定しません。牛たちの数値情報も大事ですが、生き物相手の管理ですから、物言わぬ牛たちが発する情報を常にアンテナを張り五感で感じる事、それ以上に経験からくる第六感を働かせないと体調を崩した時に対処できない事もあります。生まれた子牛たちの哺育・育成管理~適期授精による妊娠~適切な分娩管理~衛生的な搾乳~出荷~消費者へ、ダイナミックに変化する牛たちの体調を管理しながら経営を維持しています。
今後はさらに、地域の農家さんたちを巻き込みながら耕種連携を進めていきます。地域農業のリーダーとして、また全国の酪農家の手本になる牧場を目指すでしょう。福島の農業復興のシンボルとして立ち上がったフェリスラテ。そのプレッシャーを感じながらも、経験と自信に満ちたプロ集団です。着実に確実に活躍して行くでしょう。

一度、フェリスラテに来てみませんか?
スタッフに声をかけてみましょう!
そして、見て・聞いて・感じて下さい。
牧場・牛たち・スタッフから何かを感じ取れるでしょう!!

酪農協職員から見るフェリスラテ

柳沼鉄治

福島県酪農業協同組合 生産指導課長柳沼 鉄治

(株)フェリスラテは原発事故に伴い福島県浜通り地区から逸失した生乳生産基盤を復活させる為、福島県酪農業協同組合(以下県酪農協と表記)が復興事業として福島市松川町に興したミネロファームに続く復興牧場第二弾として、被災した酪農家5名が集い設立した株式会社です。私は震災当時県酪農協の浜支所(南相馬市小高区)の指導員として浜通りの酪農家の方々の為に働かせて頂いており、(株)フェリスラテの役員の方々とは震災前からのお付き合いとなります。特に代表取締役の田中さん、牧場長の長谷川さんには震災により浜通りから避難した育成牛を一時的に管理して頂いたり、ミネロファームの立ち上げメンバーとして中心的な役割をして頂いたりと、福島の復興事業を語る上では外せない存在です。(株)フェリスラテは東北でもトップクラスの500頭を超える生産規模を誇っていますが、メガファームを経験したこの二人がいなければこの牧場の設立は有り得なかったでしょう。また、他の3名の役員(門馬さん、宮田さん、但野さん)におかれましても、それぞれコントラクター事業や経理部門等特技を活かした中で会社運営に携わっておられ、とてもバランスが良い組織であると認識しています。

牧場の立ち上げにあたっては国の東日本大震災復興交付金を活用した補助事業ということもあり、多くの事業上の制約をクリアする為、苦労も並大抵ではありませんでしたが、平成27年10月いよいよ最初の導入牛が到着し、新築の牛舎に初妊牛が入った時の充実感はそれまでの苦労を補って余りあるものとなりました。牧場が軌道に乗ってからは総理大臣を始め関係省庁又は都市圏の首長等も視察に訪れる一躍有名な牧場になってしまいましたが、(株)フェリスラテはこの福島市において、牧場を受け入れてくれた地域の為に耕作放棄地の開墾作業や水田農家等との耕畜連携に力を注ぎ、農地の保全、里山の景観保持、地域雇用の創出等地域貢献の手を緩めることはありません。
現在は県酪農協が推し進める被災地(浜通り)における酪農復興事業構想にも絡み、飯館村に育成預託牧場の整備も計画中であると共に、南相馬市地域における復興牧場においても(株)フェリスラテで培ったノウハウを基に役員の方々が協力を申し出てくれていることは私にとってもこれ以上無い力強い後押しとなっています。
もしこのHPをご覧のあなたが少しでも牧場で働くことをお考えであれば、一度連絡をとり、代表取締役の田中さんに会いに来てみることをお勧めします。福島の復興のエンジンであり続けるエネルギーを感じると共に、きっとこの牧場で働くことの希望を見出すことが出来るでしょう。

アグリカルチャー・レポート・マガジン(発行:農林中央金庫)

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